オプション取引の基本知識について

オプション価格(2)

バニラオプション価格モデル


バニラオプションにおいて、現在のオプション価値や取引価格の計算に使われる基準なっている数学的モデルを、ブラック・ショールズモデルといいます。

ブラック・ショールズモデルから算出されるオプション価値は、本源的価値に追加の時間的価値を付け加えることで満期時に2つのオプション(バニラ・コールとプットオプション)の利益概要を導き出せます。

バニラオプションの価値とリスク

コールオプションにおいては、原資産価格が上がればオプションの価値も上がります

プットオプションにおいては、原資産価格が下がればオプションの価値は上がります。

コールもしくはプットオプションの時間的価値は、原資産価格と権利行使価格が同じ場合(アット・ザ・マネー)

下記のグラフが示すように最大値となります。又、原資産価格が権利行使価格から離れるにつれて(どちらの方向も)低下します。

他のオプションの価値を構成している2つの重要な要素である時間とボラティリティは、どちらかが少なくなるともう片方も低くなります。オプション価格を構成する上で2つの重要な要素である時間とボラティリティのどちらかが下がることにより、コールまたはプットオプションの時間的価値が低下します。

オプション取引のリスクは、オプション価値を構成するそれぞれの要素が変動することによるオプション価値のリスクです。それを測定する指標がギリシャ指標となります。ギリシャ指標は、オプション価値を計算するのによく使用される要素です。


デルタ

 デルタは原資産価格の変動によって生じるオプション価値の変化を図る指標です。

 デルタの値がプラスの場合は、原資産価格が上がればオプション価格も上がる場合です。例えば、コールオプションのデルタはプラスです。

 デルタの値がマイナスの場合は、原資産価格が下がればオプション価格も下がる場合です。

例えば、プットオプションのデルタはマイナスです。

 デルタの値は原資産価格の変動により変化します。


セータ

 セータは時間的価値の減少(タイムディケイ)と言われ、オプションの価値が満期日に近づくにつれ価値が低下する変化を見る指標です。

 全てのバニラオプションではセータの値はマイナスです。

 セータは、原資産価格と権利行使価格が同じ場合(アット・ザ・マネー)に一番マイナスの値が大きくなります。又、デルタの数値が上がるもしくは下がる場合にセータの値のマイナス値は小さくなります。

ベガ

 ベガはボラティリティの変動によって生じるオプション価格の変化を示した指標です。実際にはギリシャ文字ではないが、ギリシャ語のように聞こえることからギリシャ指標として使用しています。

 ボラティリティが上がれば、時間的価値も上がる為、コールとプットの両方のオプションではベガの値はプラスになります。

 ベガは、原資産価格と権利行使価格が同じ場合(アット・ザ・マネー)最大値になります。

これらの値はブラック・ショールズモデルから算出することはできます。また、投資家は、第2のリスクを測るその他の要素により変動するオプションの感応度にも注意する必要があります。

バニラオプションリスクについての概要:

バイナリーオプションの価格

一般的に、バイナリーオプションは権利行使価格が高いほど高い確率を価格設定しています。

数値評価は、違う方法で使用されている傾向があるが、ブラック・ショールズモデルでバニラオプションと同じ原理を使用し評価することはできます。

 

現金・オア・ナッシング(ゼロ)のバイナリーオプションの場合、オプション価格を求める方程式は以下となります。

又、アメリカンオプションの場合は、複数の権利行使の可能性を計算する為、更に複雑な数学的テクニックが必要となります。したがって、シンプル方程式ではオプション価格を算出するのは極めて困難になっています。

プレミアム(オプション料)やペイアウト金額が通貨ペア以外の通貨で決済される場合、いくつかの調整が必要になります。例えば、EUR/USDのバニラオプションを購入し、ペイアウト金額が日本円で行われる場合です。

このようなタイプのオプションは、固定された通貨交換レート、又は予め決められた参照値により、決済時に円通貨へ換算することを明確に買い手の説明する必要があります。


まとめ

オプション価格は、資産価格が満期時に権利行使価格もしくはバリア価格を上回るか下回るかの確率を用いて複雑な計算方法から算出されます。

したがって、権利行使により利益が得られる確率を踏まえれば、一概にオプション価格が安いものが有利とはいえません。

又、ペイアウト金額が固定されているからといって、バイナリーオプションは、バニラオプションに比べてローリスクな取引とはいえない。

投資家は、バイナリーオプション取引で投資額の全額を失うリスクがあり、常にbidとaskの提示レートあるFX取引より利点があるとは言えないことを認識する必要があります。


キーポイント:

• バニラオプションの価値はブラック・ショールズモデルを使用して金利、満期までの期間、ボラティリティ、原資産価格とその権利行使価格を加味して計算します。


• コールオプションでは、原資産価格が上がればオプションの価値も上がる為、デルタはブラス値となります。


• プットオプションでは、原資産価格が下がればオプションの価値は上がる為、デルタはマイナス値となります。


• 全てのバニラオプションではセータはマイナス値となり、時間的価値の減少(タイムディケイ)ともいわれます。


• 全てのバニラオプションではボラティリティが上がれば価値も上がり、ボラティリティが下がれば価値も下がります。


• ベガはオプション価格とボラティリティレベルのセンシビリティな変動を測ります。


• バイナリーオプションの価値はブラック・ショールズモデルを修正した計算モデルから導き出します。


• オプション価格はペイアウトを受け取る確率を反映し、低いオプション価格は高いオプション価格より自然に考えて有利にはなりません。

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