オプション取引の基本
バニラオプション
バニラオプションは、オプション取引で最も取引されているオプションです。プレーンオプション、またはレギュラーオプションと表現される場合もあります。
バニラオプションでは、予測が正しかった際に買い手に支払われるペイアウト金額は、取引金額(原資産価格*取引数量)に基づいて定めれます。オプションが権利行使された場合、実際に原資産を受け渡すもの、または権利行使価格と原資産の決済価格の差額を現金決済します。
例えば、現在価格10,000円と評価されている株価について考えてみましょう。
3ヶ月以内に1株11,000円で買う権利を持つコールオプションを500円で購入したとします。
仮に3ヶ月以内に、その株が12,000円に値上がり、前述のオプション買い手は権利を行使した場合、売り手は買い手に1株当たりの株価を11,000円にて売らなければなりません。
これによりオプションの買い手は、1株当たり12,000円で売ることが可能になります。したがって、1,000円(ペイアウト金額)の利益を受け取れます。
また現金決済の場合、売り手はオプションの買い手に決済価格と権利行使価格の差額である1,000円を支払わなければなりません。
コールオプションのペイアウト金額は、以下の方程式になっております。:
バニラコールオプションのペイアウト金額=(決済価格 – 権利行使価格)x 原資産の取引数量
バニラコールオプションでは、原資産の取引数量に比例してペイアウト金額が決まります。
いずれの場合にせよ、オプションの買い手にとっての純利益は、500円のオプション料(購入金額)を差し引き500円以下の利益になります。注: オプション料(購入金額)は、返金されることはありません。
バニラオプションの買い手が得る利益 = バニラオプションのペイアウト金額 – オプション料(購入金額)
反対の立場を考えてみますと、オプションの売り手の純損失は500円になります。:
売り手はその株式を市場で12,000円で買い、オプションの買い手に11,000円で売ることになるので、売り手には1,000円の損失が発生することになります。また現金決済の場合は、1,000円のペイアウト金額を買い手に支払います。売り手は、500円のオプション料(購入金額)を事前に受け取っているので、したがって損益は、500円の損失となります。:
バニラオプションの売り手の損失額= オプション料(購入金額) – バニラオプションのペイアウト金額
バニラコールオプションの売り手は、無制限の損失を被る可能性がありますことにご留意下さい。
損益を判定する損益分岐点は、コールオプションの購入価格を権利行使価格に加算する価格です。:
コールオプションの損益分岐点 = 権利行使価格 + コールオプションの購入価格
なので、前述の例では11,500円が損益分岐点です。
上記のグラフでは、青い線が灰色の線に交わる箇所が損益分岐点で0になります。
バニラプットオプションは、原資産を権利行使価格で売る権利のことをいいます。プットオプションの満期時のペイアウトは、コールオプションのペイアウトとは反対の損益の関係にあります。:
例えば、現在価格10,000円の株価に対するプットオプションの権利行使価格9,000円とし、株価が満期時に8,000円に値下がりした場合、買い手は1,000円のペイアウト金額が受け取ります。したがって買い手の損益は、オプション料(購入金額)から500円を差し引き、500円の利益となります。
プットオプションのペイアウト金額は、以下の方程式となっております。:
バニラプットオプションのペイアウト金額=(決済価格 – 権利行使価格)x 原資産の購入数
バニラのコールオプションの売り手と同様に無制限の損失を被る可能性がありますことにご留意下さい。
損益を判定する損益分岐点は、権利行使価格かオプション料(購入金額)を差し引いた金額になります。:
プットオプションの損益分岐点 = 権利行使価格 – プットオプションの購入金額
なので、損益分岐点は8,500円です。
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