オプション取引の基本
エキゾチック・バイナリー・オプション
エキゾチックオプションとは、バニラオプションよりも複雑なオプションです。
インターバンク市場では、多くの種類のエキゾチック・オプションを扱っています。バニラオプションとの相違点が存在し得る理由は様々ですが、下記に代表的なものを紹介します。:
➢ 原資産の価格は複雑な条件により定まります。:
● 2種類以上の原資産の価格の合計(バスケットオプション)
● 2種類の原資産価格の差額(スプレッドオプション)
● オプションを原資産とするオプション(コンパウンドオプション)
➢ 複数の権利行使ポイント、または権利行使の条件が存在します。:
● 権利行使が1回以上発生(アメリカンオプション、バミューダオプション)
● 一定の価格に達すると権利行使が発生(ノックインオプション、ノックアウトオプション)
● 原資産価格の最高値もしくは最安値によって権利行使が発生(ルックバックオプション)
➢ ペイアウトは比例関係にありません。:
● 資産(株式又は債権)または0(ゼロ)、現金決済または0(ゼロ)(デジタルオプション、バイナリーオプション)
個人投資家が最も多く取引するエキゾチックオプションは、バイナリーオプションです。
バイナリーオプション
バイナリーオプションはペイアウト金額が固定されているため、エキゾチックオプションに分類されます。インターバンク市場では、ペイアウトは株式、債券または現金といった資産によって支払われます。個人投資家向けのバイナリーオプションでは、ペイアウトは現金決済に固定されています。
すなわち、トレードを正しく予測できた場合のみペイアウト金額が発生します。バニラオプションのペイアウト金額は、決済価格が権利行使価格に対してどのくらい離れているかに比例します。
また、現金決済のバイナリーオプションでは、買い手は一切、実際の原資産を得ることが無いという事実も、くれぐれもご留意下さい。
それでは、先ほど用いた例で考察してみましょう。:
固定ペイアウト1,000円のバイナリー・コール・オプションを300円で購入し、株価が11,000円以上の場合の例を検証してみます。:
しかしながらバニラオプションでは原資産の価格が12,000円以上にならないと、バイナリーオプションと同等の利益を得られませんでした。
なので、原資産の価格が12,000円未満である場合、バイナリーオプションでの取引の方が高いペイアウト金額を受け取りますが、原資産の価格が12,000円以上である場合は、バニラオプションの方が高いペイアウト金額を受け取ることができます。
バイナリーのプットオプションはコールオプションと同様ですが、損益の関係が反対になります。:
バリア価格9,000円、ペイアウト1,000円のバイナリープットオプションを300円で購入し決済価格が9,000円未満になり、権利行使条件を満たされたため、買い手は売り手からペイアウト1,000円を受け取り、したがって買い手の損益は、売り手に支払った300円分のオプション料を差し引き700円の利益となります。注:プットオプションは、原資産の決済価格がバリア価格未満でなければいけません。:
原資産の価格が8,000円まで下がった場合、バイナリープットオプションの方での取引の方がバニラオプションよりも高いペイアウト金額を得られますが、さらに価格が8,000円以下まで下がった場合は、バニラオプションのペイアウト金額の方が高くなります。
バイナリーではコールオプション、プットオプションでのいずれにせよ、オプションの売り手は反対の損益関係あるため買い手が得る利益、及びリスクを負います。
しかしながらペイアウト金額は固定されてますので、買い手と売り手の両者共に被り得るリスクは限定されています。:
➢ バイナリーオプションの買い手が被り得る最大損失額は、支払ったオプション料(購入金額)に留まります。
➢ バイナリーオプションの買い手が得られる最大の利益は、ペイアウト金額とオプション料(購入金額)の差額に留まります。
➢ バイナリーオプションの売り手が被り得る最大損失額は、ペイアウト金額とオプション料(購入金額)の差額に留まります。
➢ バイナリーオプションの売り手が得られる最大の利益は、オプション料(購入金額)に留まります。
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